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ブリューゲル展 [日常のあれやこれや]

天気が良くて暖かかった、と言うわけでもないけど、女房と二人で「ブリューゲル展」に朝から行ってきた。それほど混んでなくてゆっくり見ることができた。ブリューゲルをこれだけいっぺんに見たのは初めてでしかも個人蔵の掘り出しも多くて、面白かった(前見た「バベルの塔展」は全てその逆で「サイテー」だった。このブログには書かなかったけど)。これは僕としてはお勧め。
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ブリューゲルといってもピーテル1世を幹に子供や孫曽孫がいてさらに工房の弟子を娘婿にしたりで大勢いて、しかもみんな細密描写を得意にしていて、絵1枚の情報量がめちゃ多いという印象で、今日見るまでは頭の中でごっちゃになっていた。ゆっくり見るとそれぞれ個性がはっきりしていることがわかった。

始祖のピーテル1世は油彩の風景画がすばらしい。丘から農村への眺めとか、岩山とか、小さな港とか、ちょっとした高みから俯瞰するような、なんでもない風景なんだけど、すごく丁寧なグラデーションで遠近感が表現されている。ほとんど筆跡の見えない細部のそれぞれその部分ごとのグラデーションが、離れて見ると全体の奥行きのなかで的確な場所に収まっている。隣に並ぶ同時代の別の画家の絵が全然のっぺりして退屈に見えた。

しかし、人物の肖像やモブシーンになるとなんとなくボスっぽくなるような気がする。若いピーテル1世にはボスは手本だったんだろうけどボスの皮肉や批判精神や悪食趣味はピーテルには合わなかったようである。しかしボスの真似をしようとして無理を重ねたような絵でも色の深みは彼らしく美しい。

息子のヤン1世は花の細密画で有名なんだけど、今回面白かったのは素描。小さな画面の粗い目の黄色っぽい紙に、薄茶のペンで風車や小さな人や遠くの建物を描いたものがある。ミニマルな線の配置と極端に淡い水彩の青が所々に置かれてるだけなんだけど、2台ある風車の遠近感の違い、その奥の遠い村、さらに遠い山が見えるか見えないかぐらいに薄い線で描き分けられている。それぞれの線は的確でしかも小さな画面全体を見ると統一感がある。

他にも風景を描いた小さな走り描きのような素描に、その場の空気まで描かれているように見えて惚れ惚れとした。描くのに何時間もかけたとは思えない、ひょっとすると写生でさえなくて思い出し描きかもしれない、というような線の集合なんだけどその的確さが見ていて心地いい。

曽孫のヤン・ファン・ケッセルという画家を僕は知らなかったんだけど、磨いた大理石の表面に蝶や蛾や蜂やバッタを描いたものは面白かった。一族伝統の細密描写を極めて博物図鑑みたいな描写を30cm角ぐらいの石の上に散りばめてある。絵の具は極端に薄くて下の大理石の模様が透けて見えている。おそらくほぼ原寸大のいろんな虫がだいたい左右対称に配置されて、なぜか真ん中にはコウモリが描かれている。磨いた石の冷たい質感の上のピン留された標本のような虫たち。なぜ惹かれるのかわからなくなる。同じ画題で2枚あったけど、なぜか右上にバッタのあるほう(左下にカマキリの方ではなくて)がずっといいように僕には思えた。自分でなんでなのか説明できない。

一方、ピーテル1世の孫のアンブロシウスや曽孫のアブラハムになると何を描きたいのかどうしたいのか僕にはわからないのが多い。単に父祖父の名声を消費しただけなんではないか、と僕には思えた。

朝一番に行って昼までゆっくり見て、そのあと地下鉄で移動して歌舞伎座近くにある女房お気に入りのトルコ料理屋でランチにした。そんなところにあるのに空いてて安くてしかもけっこう旨かった。横浜地下鉄センター南駅付近のお店は是非とも見習ってほしい。

上野までの行き帰りの電車に40分ほどかかってしまう。その行きの間にぼーっと考えていて、昨日はんだ付けしていた回路でデジトラの代わりにMOSFETを使ったほうがずっと簡単にできるところがあることに気が付いた。電車の中で女房に
「MOSFETのオン抵抗ってどのくらいだっけ?」
と訊いたけど化け屋の女房に知るはずはなかった。僕も女房もスマホは持ってないので、うちに帰ってくるまで抵抗値はオアズケになった。普通の人はその場でググることができるんだろう。まあ、そんなことは年に何回あるかというぐらいなのでそのためにスマホにするなんてことは考えられないんだけど。
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