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「諏訪内晶子&Friends チャリティ・コンサート」 [クラシック]

先日行ったサロネンのシンポジウムで知って、チケットを取った。まだ席は少しだけ残っていた。同じプログラムで横浜ではみなとみらいの巨大ホールで1万円取られるのに、仙台では小さめ(横浜に較べれば。それでも千席)のホールで3千円なので、行かないわけにはいかない。
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しかし、演目がよりによって鬼門のブラームスとメンデルスゾーン。しかもピアノトリオなんて聴いたこともない。いくらブラームスでも初めて聴く曲で寝る、ということはないだろう、と思っておそるおそる大学からの帰りに寄った。

トリオのメンバは諏訪内晶子がバイオリン、ピーター・ウィスペルウェイがチェロ、江口玲のピアノ。でブラームスとメンデルスゾーンのピアノトリオのそれぞれ1番。その間にピアノ無しのラヴェルのソナタというプログラム。ベートーヴェンの一番有名なやつ一曲とあとはせいぜいショスタコーヴィチのものを真面目に聴いたくらいで、ピアノトリオなんてほとんど知らない。なぜか弦楽器にピアノが入ると気持ちが悪い。弦をピアノに合わせて平均率で弾こうとするせいなのかも、と思っていた。

ブラームスが始まって、ピアノの数小節の前奏のあとチェロがアウフタクトのあるテーマを弾きだすともう「うわ、ブラームスやがな」と言う感じ。そのあとの細かく交代するフレーズや中途半端な距離の転調なんかがあってもうブラームス臭い。でも、どっちかと言えばねちっこい感じの諏訪内に較べて、江口のピアノがどうもブラームスの濃厚な感じがなくて、あっさり、というかサステインがなくて音がすいているような感じがする。ただでさえブラームスは厳しいのに、ブラームスの味わいに乏しくていまいち。

今回ぎりぎりになってチケットを取ったのでうしろのほうの席だったけど、このホールは残響が少なく、かなりデッドな感じでうしろの席でもそれほど気にならなかった。しかし、席が悪かったのかそれともブラームスの音響設計が悪いのか、3人がフォルテシモになると江口の左手に埋もれて、ウィスペルウェイがなにをやってるのか全然聴き取れなくなった。普段でもブラームスを聴くと集中できなくて眠くなるんだけど、今日もつらかった。

長いブラームスがやっと終わって休憩になって、女子トイレに長い列ができていた。このホールはまるで1500席のホールの前3分の2を切り出したような形になっている。そのくせ、ビルの7階なんかにあるせいなのか大きいわりにはロビーは狭くクロークはなくトイレは少ない。まあ、僕にはどうでもいいけど。

15分の休憩にもトイレから人が掃けなかったらしくてなかなか始まらない。やっと客席が落ち着いて諏訪内とウィスペルウェイが出てきてラヴェルのヴァイオリンとチェロのソナタを始めた。これも僕は初めて聴く曲だったけど、ラヴェルらしく引き締まっていて気が利いている。面白かった。4つの楽章のうしろに行くほど二人の調子が上がってきて、機動性の高い演奏になっていた。これを聴けただけでも3千円の値打ちがある、と思った。

そのあと再び江口と一緒にメンデルスゾーンのトリオ。もちろんこれも初めて聴く。第1楽章はなんだかメロドラマのように進行する。きっとこう展開するんだろうな、と思いながら聴いているとその通りになる。メンデルスゾーンって発想が幼稚だな、と思いながら聴いたけど、実は以前聴いたことがあってそれを忘れてるのかもしれない。あまりバカにしないように気をつけよう。しかしここでも、江口は痩せた音色で空気を充填しきれない。ブラームスでもそうだったがほんとうは包み込むようなピアノの音が欲しいんだけど、それを作ることができない。このデッドなホールではますます不利だな。

フィナーレでは3人の掛け合いがスリリングなところがあって、それが最高潮になったところでチェロが幅広い感じの第2主題を再現する。緊張していたのがすっ、とフォルテのまま落ち着く。このあたりはその緊張が解かれることでカタルシスがあって(「緊張の緩和」枝雀やがな)、聴いていてアドレナリンが放出されるのがわかる。こういうのは録音では味わえないライブならではの面白さ。やめられない。

いろいろ文句はあったけどこれで3千円ならめちゃ安い。諏訪内があんがい野太い音色の持ち主で、最近の細い音色のヴァイオリニストが多い中でそれなりに爽快だった。CDを1、2枚買うよりずっと値打ちがあった。

今週土曜の同じ演目をみなとみらいの、あの巨大ホールで聴く人は可哀想だな。特にあのホールの端っこは音が上に抜けて残響だけを聴いているようになる。とくに今日一番面白かったラヴェルは、きっと音が団子になってなにやってるの、という感じになるんじゃないだろうか。

いや、ひょっとすると横浜でのほうが、ウィスペルウェイの状態がもっといいかもしれない。今回どうも彼は本調子には思えなかった。僕はこれまでの録音を知っているだけだけど、もうちょっと明快な音を出す人だと思っていた。席のせいかもしれないけど。
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サンフランシスコ人

来年、諏訪内晶子がニュージャージー交響楽団に登場...

http://www.njsymphony.org/events/detail/tchaikovskys-violin-concerto

Fri, May 15 8:00 pm
Richardson Auditorium in Princeton

Sat, May 16 8:00 pm
New Jersey Performing Arts Center in Newark

Sun, May 17 3:00 pm
State Theatre New Jersey in New Brunswick

ANDREY BOREYKO conductor
AKIKO SUWANAI violin

MASON BATES Attack Decay Sustain Release (NJSO Premiere)
TCHAIKOVSKY Violin Concerto
SHOSTAKOVICH Symphony No. 10
by サンフランシスコ人 (2019-05-06 03:34) 

decafish

コメントありがとうございます。
遅くなってすみません。
今日ですね。ちょっと間に合いません。
by decafish (2019-05-15 13:32) 

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