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変調弦ギターによるバッハ-その6 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

集中的に続けている。こんどは変調弦の問題点について

前回の技術的問題の解決法ではいくつかの別の問題が明らかになる。一つは変調弦による弦張力のバラツキである。弦張力のバラツキは当然弦を移るときの音色変化を増大させる。一つの解決法として変調弦を行う弦だけ張力の異なるシリーズの弦を使う、つまり3弦をF#に下げる場合3弦以外をノーマルテンションの弦で、3弦はハイテンションの弦を使ってバランスを取ることである。ただし例えば僕のように普段使う弦がダダリオPro ArteのExtra Hard(最近どこのお店でも売ってないだよな。困った。Augustineやハナバッハはテンション低すぎて趣味に合わないし)でそれ以上のハイテンション弦が無いと言う場合にはどうしようもない。

もう一つの、最も大きな問題は、開放弦を多用することで押弦した音色と開放弦の音色との差が目立ってしまうと言う問題がある。オリジナルのバロックリュートのようにひとつのフレーズがいくつもの弦にわたってしまう場合、一音ごとに音色が異なってしまい、フレーズがバラバラな印象になってしまって、せっかくフレージングを優先した運指にしたにも関わらず結果的には逆にフレージングを曖昧にしてしまう。

この二つの問題は弦の音色の問題であり、これまでギターではむしろ積極的に弦間の音色差を利用することで豊かな表情を生んできたが(シューベルトが「ギターはオーケストラ云々」と言ったのはおそらくこのことだろう。しかしなんでシューベルトはギター独奏曲を残さなかったのか)、この場合全く逆のこと、つまり弦間の音色差をなるべく減らす奏法が要求されることになる。これはある程度右手指のタッチを工夫することで解決可能である。これまでのギターにありがちな色づいた音ではなく、無色透明な音色を心がけることで弦間の音色差は狭まる。特に3、4弦間の音色差をカバーできるタッチを編み出すことが重要となる。

その次にやはりフレージングである。要するに気持ちで音を繋いでやると言うこと、音楽演奏の訓練の場面ではよく現れることだが、この「何々の気持ちで」というのは意外なほど効果を発揮する。一般論として心理面だけでなく呼吸や筋肉の緊張弛緩などの生理面の援用も重要である。

どちらにしても左手を楽にすることは、右手の負担を増大させる事につながる。ギターと言う楽器の特殊性と普遍性を整理し、音色についての常識をもう一度見直すことで右手に対する訓練の方針を定め直すという大上段に構えた話になってしまったが、まあこんなもんだろ。


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