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変調弦ギターによるバッハ-その5 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

変調弦によるバッハのリュート曲演奏における技術的問題の解決の続きを。

いずれにせよ変調弦と言っても音高を上げる方向への音程変化は楽器そのものに負担を強いることになる(バイオリン族に比べて明らかにギターは機械的強度が低いので負担も大きくなる。マーラーが彼の第4交響曲で全部の弦を完全2度上げたソロバイオリンを使ってヒステリックな効果を上げているがギターでそれをやると楽器を破壊する。試したい人はどうぞ)のでせいぜい半音を2弦までがいいところ。例えば上からf'-c'-g-d-A-Eと言うのもあり得る。しかし完全4度超弦と言うのはやってみるとわかるがちっともよくない。五度圏で近隣±3ぐらいがまんべんなく出てくるような曲でもあれば違うかもしれないが、普通の曲は弾きにくくなるだけである。このあたり、ギターが一カ所長三度を含んだ調弦になっていることはなかなかよくできていることがわかる。

また、短3度(3半音)以上の低音側への音程変化は、いわゆるベロベロで使い物にならない。また、有る弦間隔は長3度でその次が短6度等というバラバラの調弦では(これも実際にやってみるとよく解るが)かえって左手指の負担を増やすことになる。

従って変調弦と言っても現行のギターで比較的良く行われている
 1. 3弦を半音下げる(g→f#)
 2. 6弦を全音下げる(E→D )
 3. 5弦を全音下げる(A→G )
を組み合わせるぐらいしか可能性はないと言うことになる。その他に
 4. 4弦を半音下げる(d→c#)
 5. 4弦を全音下げる(d→c )
もありえるが4.は#が四つ以上(ホ長調より時計回り方向)でなければメリットは出ないし、5.は3弦の音程との関係(gかf#)から主調がCかGに限られ、応用範囲は狭い。
結局、最初の3つの変調弦の組み合わせ以外は実質的には使えない。

また一方で、開放弦を鳴らしている間にポジション移動を行えるように、運指も常識的でない方法を使うことも同時に考える。例えば2ポジションのセーハをしながら人差し指先で3フレットを押さえたり、同一弦上を指をスライドさせて発音しながらポジション移動をしたりということも行うと問題を解決できる箇所が存在する。このあたりはロックギターでは比較的よくあるテクニックである。

これらの工夫は人によっては抵抗があったり、かえって演奏が困難になったりするばあいもある。しかしこれらを採用することで演奏上の効果は明らかに異なり、これまでのギターによるバッハ演奏で運指上の問題から音楽的要求に応えられなかった場面の解決や、フレージングとビートを両立させることが可能になりえる場面が存在すると考えている。

さあて、そろそろ実際の具体例を見たいな。


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