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変調弦ギターによるバッハ-その3 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

一般的なバッハ演奏の世界ではギターによるバッハはいわば「いろもの」だった、と僕は思う。フーガに聞こえないフーガ演奏、まったく意味が理解できない突然行われる音色変化、リズムを無視した見境の無いルパート、などなど、他の楽器によるバッハを聞き慣れた耳の肥えた鑑賞者にはまったく聴くに耐えない演奏があまりにもたくさん存在していた(現在でも大勢の状況はあまり変わっていない)。

セルシェルのバッハ


すでにもう歴史の一部になってしまったが、かのイエラン・セルシェルはあまり一般的でもなく構造的にも無理がないとは言えない11弦ギターを使って古典感覚を持ちながら軽やかな演奏を行い、ギターらしさばかりが目に付くバッハ演奏の中にあって、バッハ本来のおもしろさ美しさがリュート曲のギター演奏にも有ると言うことを我々に示してくれた。30年前('78)の彼のパリコンクールでの演奏の衝撃は今でも忘れられない。キワモノ楽器を使っていながら逆に普遍的な表現を獲得しているのである。そして彼の演奏を可能にしたのがそのキワモノ11弦ギターである。

先にちょっと出したが、現代のギターとバロックリュートでは弦数も調弦法もまったく異なる。そして弦数の違いは音域の違いに繋がる。事実、バロックリュートは開放弦で下2点イ音からヘ音までで、左手の最低ポジションで3オクターブカバーできることになる。
この音域の差をカバーするための試みが、そのセルシェルの使った11弦ギターによるアプローチである。リュート(と、言うか弦倉の形を見るとテオルボかも)と同じコントラ弦をギターに装備することで音域を広げようとするものである。

また、調弦法の違いは運指の違いを生み、それはメカニックの問題、つまり人間の手指の物理的な運動機能の限界と音楽的表現との衝突を起こす。それを避ける最も簡単な方法はギターをバロックリュートと同じフランス調弦にしてしまえばいいのだが、それでは6弦しかないギターではまったく音域が足りなくなってしまう(1弦をf'にすると6弦がAになってしまう)。先の11弦ギターでも楽器としてはルネサンスリュートの調弦(4度調弦プラスコントラ弦)を採ることを前提として作られているので運指の問題は解決できない(フランス調弦が不可能ではないが)。実際にセルシェルは11弦ギターの採用で広がった音域を利用して、どの編曲でも可能な限りローポジションで弾けるような調性を使って運指の問題を避けようとしている事がわかる。

さてさて、それからそれから。ちょっとまって。


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