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ガウシアンビームの光学 - その19 [ガウシアンビーム]

ガウシアンビームのお話。僕としては徐々に佳境を迎える、という雰囲気を醸し出したい。これまで「その1」から「その15」まででガウシアンビームの教科書的なあつかいを(ちんたらと)まとめた。いい近似は実りも多いという実例である、と僕は思っている。そのあと光学に固有の問題のためにまず代表的な数値の確認と基礎となる近軸理論をおさらいして、瞳から出たガウシアンビームがウェストを迎える様子を考えた。今日はそれのちょっと違った表現を考えてみる....

6.2.3  別の見方

前節で瞳でのビーム径を決めると、ある距離以上にはウェストを作ることができないと言うことがわかった。その特徴はわかりやすくて良かったんだけど、前回のやりかたでは距離に対して2種類のウェストがあるため、別々に場合分けして考えないといけなくなってしまって扱いづらい。

$z$ではなく別のパラメータを使って一価関数にしたい。そこで瞳上での波面の曲率(あるいは曲率半径)をパラメータにしてみよう。

球面波(あるいは放物面波)の議論を思い出してもらうと、曲率半径$R(z)$は式-6:9の係数Cの位相だった。もう一度書くと \begin{equation} R(z) = z \left(1+ \left( \frac{z_R}{z} \right)^2 \right) \nonumber \end{equation} だった。曲率半径ではなくその逆数の曲率$\chi(z)$のほうがあとあと便利なので

\begin{align} \chi(z) &= \frac{1}{R(z)} \nonumber \\ &= \frac{z}{z^2+z_R^2} \label{curevature} \end{align}

$w(z)$のほうも$z_R$だけについての式にしておいて、

\begin{equation} w(z) = \sqrt{\displaystyle \frac{\lambda}{\pi}\frac{z^2+z_R^2}{z_R}} \label{beamradius2} \end{equation}

の形を使うことにする。これはもう忘れたかもしれないけど、ずっと大昔のもともと解の形を仮定したときに使った式-5:3の$g(z)$から出てきたものである。

ここで$k$を残すか$\lambda$を残すかで式が微妙に簡単になったりごちゃごちゃしたり$\pi$が行ったり来たりする。しかしとりあえずここでは(物性屋ではなく)光学屋が使い慣れた$\lambda$を使っておく。

式-\ref{curevature}と式-\ref{beamradius2}が$z=z_p$にある瞳でのビーム半径$w_p$とそこでの波面の曲率$\chi_p$だと考えて、ふたつの式を連立して$z_R$を消去すると \begin{equation} \pi^2 w_p^4(1-\chi_p z_p) = \lambda^2\frac{z_p}{\chi_p} \end{equation} $z_p$について解き直すと \begin{equation} z_p=\frac{\pi^2 \chi_p w_p^4}{\lambda^2+(\pi \chi_p w_p^2)^2} \end{equation} と書ける。

これをさっきと同じパラメータ波長が532nm、瞳でのビーム半径が1mmの場合でプロットしたのがこの図である。
0727chivszp.png
前回ではふたつの解にわかれていたのが、ピークの左側と右側になっている。左側が曲率が小さい、つまり$R$が大きい、つまり平行光に近いということで、右側は曲率が大きい、つまりぎゅっと絞り込もうとしているということである。瞳でのビーム径を決めたときに、ウェストまでの距離に最大値がある、ということはこっちのほう($z$ではなく曲率をパラメータにする)ではパッと見てわかる。逆に最大になる条件は前回の方がわかりやすい。

また、こんどはふたつの式から$z_p$を消去して$z_R$について解くと \begin{equation} z_R = \frac{\pi \lambda w_p^2}{\lambda^2+(\pi \chi_p w_p^2)^2} \end{equation} またこのときのウェスト半径$w_0$は、$z_R = \pi w_0^2/\lambda$だったので \begin{equation} w_0 = \frac{\lambda w_p}{\sqrt{\lambda^2+(\pi \chi_p w_p^2)^2}} \end{equation} となる。有理式になってぐちゃぐちゃした感じになってしまうけど、単なる式の変形で難しいことはしていない。落ち着いてやれば高校生でも十分ついてこれる程度のものである。高校生にとって面白いかどうかはわからないけど。

これを同じように描いたのがこの図である。
0727chivsw0.png
$\chi_p = 0$ということは波面が平面の位置でそれはすなわちビームウェストの位置なので、ウェストと瞳が一致しているということになる。曲率を大きくしていくとだんだんウェスト半径は小さくなっていくが、N.A.を上げていくことに対応している。どうでもいいけど、横軸はlogにしたほうがわかりやすかったな。もういいや。

添字の$p$が煩わしいけど、瞳とウェスト位置との距離であると言うことを強調するために、とりあえずおいておく。
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