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ガウシアンビームの光学 - その14 [ガウシアンビーム]

ガウシアンビームの続き。これまでで「Helmholtzの方程式」「平面波解」「近軸波動方程式への近似」「軸対称方程式」「解の仮定」「解の具体的な定式化」「ビームのエネルギー」「積分定数$z_R$の物理的な意味」「$z_R$の限界」「放物面波解」「Gouy位相」「非軸対称解」「さらに高次の解」とやってきた。

今日は技術屋にとっての十徳ナイフであるFourier変換を使って解を構成する話.....

4.3  さらに一般的な解

前回の高次モードには突っ込まないけど、ちょっと違ったアプローチを考えてみる。それはこれまでのゴリゴリした微分方程式の数学では、間違い探しのような係数のちょっとした違いでぜんぜん違う解になって神径症的な気分になってしまったからである。

もちろん標準的な解析学のやりかただとちゃんと直交関数系を手に入れることができて、少なくとも形の上では解を網羅できる。これは強力な手段で、これに代わる方法はない。

しかしここではもっとおおらかな、技術屋なら馴染み深いFourier変換を考える。

つまり解の$(x,y)$平面内の依存性を2次元のFourier変換と考えて \begin{equation} \psi(x,y,z) =\frac{1}{2\pi} \int \Psi(k_x,k_y,z) \exp i (k_x x + k_y y) \; dk_x dk_y \label{fouriersolution} \end{equation} とする。これをいつものように式-3:5に代入してFourier変換の積分を後回しにすると、 \begin{align} \frac{1}{2\pi} \int \left(-(k_x^2+k_y^2)+2i k \frac{\partial}{\partial z} \right)\Psi(k_x,k_y,z)\exp i (k_x x+k_y y)\;dx dy &= 0 \nonumber \\ \left( -(k_x^2+k_y^2)+2i k \frac{d\partial}{\partial z} \right)\Psi(k_x,k_y,z) &= 0 \nonumber \end{align} となる。これは$z$に関する1階の微分方程式なので、そう見えるように書き直すと \begin{equation} \frac{\partial}{\partial z}\Psi(k_x,k_y,z) = \frac{-i(k_x^2+k_y^2)}{2k}\Psi(k_x,k_y,z) \nonumber \end{equation} となる。これなら解は僕でもすぐ積分できて \begin{equation} \Psi(k_x,k_y,z) = C(k_x,k_y)\exp \frac{-i(k_x^2+k_y^2)z}{2k} \label{nonrotationalsolution} \end{equation} である。$C(k_x,k_y)$は積分定数で、$z$に依存しなければなんでもいい。そして逆に$z$に依存さえしなければ$k_x$、$k_y$に依存してもいいのでそう書いた。したがって式-3:5の解は \begin{equation} \psi(x,y,z) =\frac{1}{2\pi} \int C(k_x,k_y)\exp \frac{-i(k_x^2+k_y^2)z}{2k} \exp i (k_x x + k_y y) \; dk_x dk_y \end{equation} $C(k_x,k_y)$がなんでもいいと言ってもFourier変換の積分が収束しなければ意味はないし、ディメンジョンもあってないといけないのは当然である。Fresnel回折のような2乗に比例する位相が含まれているので積分も難しい。

でもForuier変換特有のなんでもアリ感があって個人的にはお気に入りである。例えば一番基本の回転対称なガウシアンビームは \begin{equation} C(k_x,k_y) = \exp \frac{-(k_x^2+k_y^2)z_R}{2k} \nonumber \end{equation} と置くことで得られる。代入することで確認できる(これをみればわかるように$C(k_x,k_y)$自身もガウシアンの形になっている)。またすぐわかるように軸非対称なガウシアンビームは \begin{equation} C(k_x,k_y) = \exp \frac{-(k_x^2z_{Rx}+k_y^2z_{Ry})}{2k} \nonumber \end{equation} とすれば得られる。また、$k_x$、$k_y$に依存しない定数に置くと式-10:7の放物面波が得られる(ただし、Foruier変換の被積分関数は絶対可積分でないといけないので、定数にすると積分は発散する。積分できるような定数を入れて積分したあとその0の極限を求める、というような小細工が必要である。放物面波は無限に広がっているので当然である)。さらにエルミート多項式とガウシアンの積をを含んだ式を与えると、前にやった高次のモードが計算できるはずである(やってないけど)。

この$C(k_x,k_y)$を適当に仮定してMathematicaを使ってFourier変換させると、ほとんどの場合は変換が実行できなくて入力式のまま返ってくるけど、たまに巨大な式が出てくることもある。そういうのを数値評価してグラフに描いたりして遊ぶことができて、Fourier変換ならではの「なんでもアリ」感を味わうことができる。そんな行き当たりばったりでは面白そうな解に到達することはほとんどないけど、僕は好きである。
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