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RaspbianのMathematicaその2 [Raspberry Pi]

こないだMathematicaのデスクトップ版は11.1が出て、Raspberry PiにバンドルされたMathematicaはまた離されてしまった。しかしし11.1で追加された機能はニューラルネットや機械学習、ビットマップのベクトライズ、Wolframのサーバが持ってるいろんなデータへのアクセス、といったような重い処理ばかりなのでRaspberry Piではどのみち厳しい。

今日ここでは、RaspbianをインストールしてまずMathematica(wolfram-engine)をpurgeする、ということはとりあえずしないで、Mathematicaを試しに使ってみようと思うけど、どこからやればいいの?という人の参考になればと思うことをちょこっとだけ書く。今回は僕が作ったネタではなくてWolframのサイトからのもの....

RaspbianのXWindow上でMathematicaを立ち上げたときに現れるバナーウィンドウからRaspberry Pi用Mathematicaの下の方にある「プログラミングの基本」というリンクから
0405mathematica.png
というページにたどりつく。ここにはごく基本的な使い方が整理されていて、インタプリタ言語としての特徴を紹介するといった、とっつきのチュートリアルになっている。いまのところJavaとPythonとだけは文法的な違いがコメントとして表示されるようにもできる。

ページにある入力式をクリックするとコピー用の文字列が表示されて、それをMathematicaのノートブックにペーストして試すことができる。また、ところどころにある「理解度チェック」には一つのトピックに3問ずつの問題があってテストできる。間違ったときなぜそうなのかを確認するには、実際にMathematicaに入力して試してみればいい、ということになっている。

もうひとつ、「数学を学ぶ学生のための入門チュートリアル」から
0405mathematics.png
というようなページにリンクがある。こっちは「数学を学ぶ学生」向けというタイトルではあるけど、そんな難しい内容ではなく、理系の学生なら誰でも使うような代数計算、微分積分、極限、線形代数、複素数、整数論などや、それらの可視化にMathmaticaがどう使えるかが紹介されている。

こちらのページのどの式もクリックすると文字列としてコピーされて試してみることができる。

これらのチュートリアルにある式にはそれほど複雑なものはなく、Raspberry Piでも十分実行可能で、結果は待たされることなく表示される。チュートリアルにあるインタラクティブな式でも
Manipulate[Plot[Sin[a x], {x, 0, 10}], {a, 1, 5}]
程度がほとんどで、Raspberry Pi3なら問題なく動作する。

このふたつのチュートリアルが終わってしまうとあとは製品版と同じドキュメントになってしまう。でもこのオンラインドキュメントは関数の網羅的な解説の羅列だけではなく、ところどころにトピックを限定したチュートリアルがある(これは昔のMathematica Bookをアップデートしたもののようである。Mathematica Bookそのものはもうないらしい。ちなみに4.0用のものですでに1000ページを超えていた)。しかもすべて日本語になっている。

また、デモプロジェクトのページではいろいろな分野の動作可能なデモが大量にある。それぞれのトピックの右側にある「Download Author Code >>」をクリックするとMathematicaコードを含んだノートブックがダウンロードできて、それをraspberry PiのMathematicaで開くことができる。ほとんどがManipulateを使った動的なグラフィクスを含んだデモになっていて、なかには単にMathematicaでアニメーションを作りました、というだけのはっきり言ってつまらないのもあるけど、自分で動かしてみるとおもしろいのも多い。3Dモデルをぐりぐり動かす、というのでなければRaspberry Pi 3でなんとか動作させることができる。
0405demo.png
単にスライダを動かして動作させるだけならCDF Playerを使えばパソコンで動かすことができてそれなら軽いんだけど、PlayerでないMathematicaならコードをいじることもできる。たとえばこのデモではヨーロッパの都市を選び出してそのボロノイ図を描くというもの。都市の名前と位置はWolframのサーバから読み込むのかと思ったらファイルにハードコードされていた。これを書き換えて地理データを読み込んで追加するのは(チュートリアルを終わらせたあとドキュメントをたどることができれば)簡単である(その昔何のためだったか忘れたけど、2次元の座標のリストを与えるとボロノイ図を描くMathematicaパッケージを書いたことがあった。今ではVoronoiMeshという組み込み関数がある。簡単でいいなあ)。デモプロジェクトのほとんどはそういうふうにMathematicaコードを読んだり書き換えたりということができる。Mathematicaに慣れてくれば書き換えを試してみるというのもアリである。

また、昔からあるMathWorldも生き残っている。これは数学の色々な分野のトピックをMathematicaを使って解説する、というものでデモに比べると地味だけど、なかにはMathematicaコードやちゃんとしたPackageになっているものがダウンロードできたりする(単に解説しているだけのページが多いけど)。

さらにFunction SiteにはMathematicaに実装されている数学関数の定義や特定の値や他の関数との関係式やべき展開などの他の表現なんかが説明付きで網羅されている。


その昔僕が東北大の研究室に出入りしていたとき、東北大の職員と学生ならタダでMathematicaをインストールできたので、僕は盛んに勧めたのに結局研究室の誰も使うようにはならなかった。巨大な代数計算や複雑な積分や正確な3Dグラフなんかのデモをやってみせったけど、「ほー」「ふーん」という反応だった。なんだか残念だった。


Raspberry PiでMathematicaの基本的な部分は十分楽しむことができる。大学生だけでなく、理系に進もうと考えている高校生でも試してみることができるし、高校の数学の宿題なんかはMathematicaでやってしまえるだろう。まあ、そこまで使いこなせればむしろすでにMathematica Readyな高校生だと言えるけど。

ところで何度も書くけど、僕はWolfram Researchの回し者でもなければ何かもらっているわけでもない、ただの古くからのユーザでしかない。「盛り」はなにもないと思っていただきたい。

しかし、Wolframが何かくれるというのであれば拒否はしないんだけどなあ。
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