So-net無料ブログ作成
検索選択

レンズレスカメラ [日常のあれやこれや]

先週日立がレンズレスカメラを発表した。僕はもともとレンズ屋なのでレンズが要らなくなるということは僕は失業するということなのかな、と思った。発表資料を見ると同心円のマスクとFourier変換を使うというので、僕なりにどういう原理なのか発表資料を見てからずっと考えていた。

定式化までできないけど雰囲気はわかったような気がする。ピッチが中心からの距離に反比例するような白黒マスクと、そのすぐ後ろ(ただしちょっと距離を置いて)にイメージャを置く。得られた画像にマスクの白黒反転したマスクをソフトウェア的に重ねて(掛け算して)その強度を逆Fourier変換する(正変換でも同じだけど得られた強度が光線の向きなので用語はこっちの方が正しいような気がする)。

これでほんとに画像が得られるのかピンとこないけど、多分こういうもんだろう。マスクの最高周波数をイメージャの画素ピッチに一致させるようにすれば、サンプリング定理を満たす。その上でマスクとイメージャの距離を変えれば、最高周波数が変わる(遠ざければ高くなる)ので、レンズなら焦点距離を変えるのと同じになるんだろう。

またソフトウェアマスクを同心円マスクとぴったり同じにすると無限遠の像が得られることになって、それよりソフトウェアマスクの方を大きくしていけばそれに従って手前の物体の像が得られるような気がする。もしそうだとすると、簡単で面白い。

発表資料では同心円の中心はイメージャの中心とあっているように描いてあるけど、どうせ光の位相を得ることはできないので、4分の1円にして中心をイメージャの左下にでもすればイメージャの画素の無駄が少ないはずである。Fourier変換するときは4分の1円を2回折り返して4倍の面積にすればいい。また最近は画素アスペクトが1のイメージャが普通だけど、イメージャそのものは横長が多いので横方向に周波数が高く取れて、アナログ時代に戻ったように人間の視覚との相性も良くなる。

でも、レンズのFナンバに対応するパラメータが何かわからなかった。マスクの最短ピッチとイメージャとの距離によるFresnel回折で光学的な最高周波数が決まるはずなので、それがFナンバに近いパラメータだろうと思う。でもレンズのFナンバはFraunhofer回折に関係する量なのに、この場合はもっと手前のFresnel回折が支配的になる。光学的解像度はレンズを使う使わないに関わらず、何らかの同じ原理に基づかないとおかしいと思うのだけど、この辺よくわからない。

また、光はサンプリング定理に関係なくやってくるのと、サンプリング定理を超えた折り返し成分がそれぞれの周波数ごとに含まれてしまうように思えるので、それをどうやって除去するのかよくわからない。そのあたりはちゃんと定式化できないと議論できない。

収差に関してはどうだろうか。正弦条件を満足できないような気がするけど、普通のレンズの瞳での強度を取るようなものなので正弦条件がどう影響するのかよくわからない。同心円マスクの中心とソフトウェアマスクの位置がずれたりピッチの部分的なずれがあったりすると誤差が発生するけど、それが普通の収差とどう対応するのかもよくわからない。

白黒マスクだと入射光量の半分しか利用できない。白黒ではなく位相マスク(黒の代わりに半波長位相差を与える)だと全入射光量を利用できるんだろうか。位相マスクでできたとしても位相の色収差の問題もあるな。

いずれレンズ屋は失業するんだろうか。少なくともレンズを磨くのは汚れ作業で、一方同心円マスクは半導体方式のきれいなプロセスで可能なので、どっちかといえばそっちの方が望ましい。

まあ、どうなったとしても僕には時間的にもう関係ない話ではあるけど。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

メッセージを送る