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RaspbianのMathematicaとmacOS版に対する不満 [日常のあれやこれや]

結局この土日もずっと計算を回していた。先週Photonics Westに行った会社の人たちが、こういうお客さんからこんな仕様を聞いた、こんなのできるのか?なんていうメールを僕に投げてくる。まあどうせほとんどは冷やかしなんだろうけど、ひょっとして真面目に困ってるところもあるかもしれないので真面目に答える資料を作って過ごした。

そんなことをしながらRaspbianをアップデートしたらMathematicaが最新バージョンになってた。

mathematicaVersion.png
手前下側のがMBPで動いているデスクトップ版で、後ろ上側のがVNC接続でRaspbianのMathematicaを表示させたところ。前回とまったく同じ4ヶ月遅れでちゃんとアップデートされている。これは評価できる。

ちゃんと最新の関数が動く。
GeoImage.png
これはサーバから衛星画像を読み込んで表示するGeoImageという関数。沖縄が見切れてるけど、これはRaspbianのせいではない。しかしこれをなんで新しい関数として実装しないといけなかったんだろう。昔からあるGeoGraphics関数のオプションでいいじゃん。

それはいいとして、Raspbianでは動かないのもある。例えば
imageRestyle.png
ImageRestyleはダメ。この関数はちょっと前に流行ったDeep Dreamみたいなことをする。畳み込みネットワークを使うのでメモリがたくさん必要、みたいな理由だろう。

ところで、このところ追加される関数は僕にはなんの役にも立たないものばかり。GeoImageやImageRestyleなんか本当に誰が使うんだろう、と思ってしまう。僕としてはこんなどうでもいい関数を増やすより、いいかげんmacOS版のフロントエンドを64ビットにしてほしい。

フロントエンドの負荷が増えるような作業をすると何も言わずにただクラッシュすることがある。例えばGraphics3DをIllustratorで編集できるようなフォーマットのファイルで出力するために
graphics2DElementsFrom3D[g_Graphics3D]:=Graphics[Inset[g, Automatic, Automatic, Scaled[1]]]
みたいなのを使っている(このやり方はユーザフォーラムで教えてもらった)。Graphics3DのPostScriptオブジェクトが複雑になり過ぎたせいだと思うけど、どのバージョンからかGraphics3DをPDFにExportしてもビットマップになってしまう。これではIllustratorで編集できないので、上の関数で2Dグラフィクスに変換してからExportするとPostScriptになって編集できるようになる。

ところが、ちょっと要素の多いGraphics3Dを2Dに変換しようとするとクラッシュする。作業中のウィンドウが不意に消えて、なんのログも残らないので、最初は何が起こったのかわからなかった。どうやら画像フォーマットの変換はカーネルではなくフロントエンドがやるようになってるみたいで、フロントエンドがメモリを食い尽くして死ぬらしい(クラッシュ寸前にもページは余ってるのでたぶんStack Overflow)。そしてmacOS版のフロントエンドは32ビットなのでメモリを積んでも解決しない

この問題は僕には切実なんだよな。はっきり言って毎年高い金払ってんだから、Wolfram Reseachにはこういうとこちゃんとやってほしい。Windows版とmacOS版との力の入れ具合の差だろうけど、セオドア・グレイよ、なんか言ってくれよ。ほんとに。まったく。
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なぜ私は私なのか [日常のあれやこれや]

ある人のツィートを見て思い出した。僕は子供の頃、たぶん6、7歳ごろだと思うんだけど、僕はなんで「私」という肉体に閉じ込められているのかと不思議に思っていた。

「私」という肉体が生まれる前に僕はなんだったのか、「私」という肉体が死んだあと僕はなんになるのか、いつも僕は「私」という覗き穴からしか外を見ることができないんだけど、それはなんでなのか。そもそも「外」とはなんなのか。僕じゃないものは、ではいったいなんなのか。


五十年以上経ってなんとか言語化できるけど、当時はただ「???????」だった。当然親や友人に質問するなんてことはできなかった。質問するためには言葉にしないといけなくて、それが当時の僕にはまったくできなかった。

10歳を過ぎて中学生になると疑問の形が少し変わってきた。「私」とよく似た「他の人」がいる。それはもちろん僕ではなくて、僕とは無関係な独立した存在らしい。なぜなら彼らが見ている覗き穴を僕が見ることができないからである。そもそも彼らが僕と同じように「私」という覗き穴から外を見ているのかということさえ僕にはわからない。ひょっとすると僕以外は違った方法で外を見ているのかもしれない。彼らは僕のことを肉体に閉じ込められたかわいそうな存在だと哀れんでるのかもしれない。

それとも「他の人」は僕と同じようにそれぞれの「私」という肉体に閉じ込められた人なのか。僕と同じような存在だとすると、では、なぜそれが僕ではないのか。僕が僕であると言う感覚は僕以外には持てないのではないか。なぜならそれは僕ではないわけだから。

もちろんそう言う問いも当時はどう訊けばいいのかわからなかったので、級友なんかに投げることはなかったけど、それを悩み続けているというわけではなく、何かのきっかけで思い出しては考えながらぼーっとしてるというような状態だった。

普通の人はこう言う疑問はもっと早いうちに持って、そのうち忘れてしまうんだろう。僕はなんでも遅かったので、中学になってもこんなことを考えていた。

ずっと後になって似たような哲学的な設問があることを知って、あんがい哲学もアホやな、と思った。

いまはどうかというと、それは「自意識」あるいは「自我」というものであって、進化の結果獲得した個体を維持したり制御したりということに有効な生物としての機能だと考えている。つまりは魚が水中で呼吸したり、鳥が羽で空を飛んだり、というのと同じである。右手と左足が勝手なことをしないように、あるいは指を失ったらその後不便で個体維持に支障をきたすから、肉体に対する一体感と他者との峻別のために意識が進化した、と思っている。

つまり子供の頃思っていた「私と言う肉体」と「僕」との関係は、実は逆だった、ということになる。それが感覚として受け入れられにくいというのも進化の結果だろう。個体維持には不利な材料だからである。

だから安心して死ねるか、というとそれは全然別だけど。

「水屋になおしといた片身の鯖、あれが心残りで」
これは落語「地獄八景亡者戯」の最初の登場人物が、死んで何が心残りかと問われて答えた言葉。「水屋」は関西弁で台所の戸棚のこと。彼はその鯖の半身にあたって死んだ。彼は鯖が好きだったのでどうせ死ぬなら全部食べてから死にたかったと言う。

僕も死んだらこうありたい。死んだ後には言えないのが残念だけど。
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光学実験用汎用部品の変遷 [日常のあれやこれや]

先日のアイデアはダイレクトカットレンズの決裁がおりたので、物理的に評価する準備を始めることにした。もう去年暮れからずっとスイッチが入った状態のまま、計算はひと段落させて、こんどは汎用光学部品メーカのカタログとにらめっこしてる。結局この土日もほとんど外に出ずにそうやって終わってしまった。もうそんな週末を断続的に2ヶ月近く過ごしている。

今回はざっくり4つの評価装置を立ち上げる。そのうち2つは素子そのもののパラメータの測定(ひとつは干渉計になる)のためで、残りの2つは動作評価のため。汎用メカと汎用光学素子と僕が図面を描いた少しの加工部品とで、僕が光学系を組んで回路をはんだ付けしてカメラ画像から評価値を計算するソフトを書いて立ち上げる。全部一人でやるつもりでいる。

なんでそこまで自分で全部やるかというと、装置の専門会社に任せるのに懲りたからである。僕は今の会社に移ってすぐのころ、専門の装置屋さんに自動組み立て調整設備を投げる場面に遭遇した。僕がこうしたいと言ったことがちゃんと反映されて、一応動くものが上がってきて今でも量産に使っているんだけど、出来上がった装置を見ていくと僕の気に入らないところがいっぱいあった....

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メルセンヌ素数の本 [日常のあれやこれや]

こういうの(こないだ誰かが見つけた現在最大のメルセンヌ素数の本)をシャレで作るのはいいけど、買う奴がいるというのが信じられない。

この出版元には、ぜひともこんどは100ページぐらいの正誤表を本にしてほしい。
....
第127ページ、4,106,643桁目 3(誤) → 8(正)
第139ページ、4,494,672桁目 5(誤) → 2(正)
....
とかいうの。同じ数だけ売れないとおかしいよな。

僕に言ってくれれば「2進数版」とか「16進数版」とか作ってあげられる。2進だと77,232,917文字が全部「1」だし、16進だと最初の1文字目の「1」以外19,308,229文字全部「F」だし。

「$2^n$進数版」ならどんな$n$に関しても作れるので言って欲しい。64進数以上はどんな文字を使えばいいのかわからないけど。
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「スイッチ」が入った [日常のあれやこれや]

去年の暮れに今の会社の製品としてちょうどいいアイデアを思いついた。会社のために考えていたのではなくて、もう少しで終わるところのガウシアンビームの話の締めを考えていた。ガウシアンビームの品質の目安として$M^2$の話を前回やったけど、$M^2$が目安になるのは近軸波動方程式の解のうちある条件を満たしたものだけになる。ではどういう場合に$M^2$が品質の目安とは言えなくなるか、というのを計算していて面白い振る舞いを見つけた。それがきっかけになった。

ほんとはここにどういうアイデアに基づいたなんなのかを具体的に書きたいんだけど、さすがにできない。しかしこういうとき、他の人がどうなのかよくわからないけど僕の場合、普段とはちょっと違った状態になることがある。そのことを書こう....

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日曜美術館「魂こがして 青木繁」再放送 [日常のあれやこれや]

今夜の日曜美術館は青木繁の再放送だった。出演者の石橋凌は僕と同い年だけど、キャラは暑苦しく僕には彼の言うことが理解できなかった。青木繁の代表作「海の幸」をわざわざパリまで見に行きながら団子のように固まった感慨があるだけなのは、僕にはツッコミが足りないとしか思えない。ブリジストンで見るのと何が違うんだよ。違うわけないだろ。

僕は「海の幸」が傑作なのはそこに日本人の呪術性が描かれていることだと思っている。番組の中で神輿を担ぐ男たちとの類似が語られていた。僕はまさしくその通りだと思っている。

絵に描かれた裸の男たちは漁の成果を喜んでいるようには見えない。むしろ整然と、粛々とまるで儀式を遂行しているかのように見える。儀式はもう終わるところなんだろう、男たちには呪術的儀式を滞りなく終わらせた充実感と疲労を見ることができる。いくら未開の漁村であっても全裸で漁をすることはありえない。全裸はすなわち禊(みそぎ)である。また彼らが担いでいる獲物は漁の成果ではなく、儀式の小道具であって、つまりは神輿のようなものである。

日本には季節に従った風習が残っている。節句ごとの家庭内のお祭りや正月彼岸土用や何々供養のたぐいは今でも商業主義と相まって日本人の生活に根付いている。日本人のほとんどはなんのためにあるのかわからないのに、そう言うしきたりになんとなく従っている。「敷居を踏む」「夜に爪を切る」なんていう小さなことでさえ今でも気にする人はするけど、日本人以外にはまったく意味不明である。

また「恵方巻き」のようについ最近になって企業論理に基づいて作られた物でも、なんとなくそんなものかな、と思ってしまうのは、日本の風習にありがちなパターンに馴染みがあるから受け入れられやすい、ということだと思える。

そう言う風習の多くには本来ちゃんとした起源があって、大抵呪術的な意味があった。しかし今ではその本質は忘れ去られて形だけが残ったものがほとんどである。

青木繁の「海の幸」はそういう日本人の意識されない呪術的儀式を描いたもののように僕には思える。青木繁本人も意識していたとは思えない。だからよけいに日本人がこの絵を見ると普段は気がつかないけど何百年もの習慣から染み付いた根深い澱のようなものを感じてしまうんではないか、と僕は思っている。

また例によって僕の勝手な解釈。フランス人がそれをどう見たか、は僕にはわからない。
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読響第574定期 [クラシック]

うちの女房お気に入りのカンブルラン読響の定期演奏会をふたりで聴きにいった。

2018-01-13.jpg
なかなか面白かった.....

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またmacOSがやらかした [日常のあれやこれや]

macOSのシステム環境設定でAppStoreの変更ロック解除パスワードがザルというバグが見つかった。僕も試してみたらどんな文字列を入れてもロック解除できた。システム環境設定の他のロック解除はとりあえずはちゃんと動いているようである。

これはすなわちシステム環境設定の左下にある鍵アイコンが単なるUIの共通化の役割しかしていない、ということである。ついこないだのrootパスワードのバグもひどかった。これも直接の影響は少ないとは言え、同じような超低レベルのバグであることは間違いない。

本来、権限取得譲渡のメカニズムは分散すべきではなく、ボトルネックでなければならない。例えば、unixの設計思想ではsetuid/setgidというシステムコールがそのボトルネックの役割を果たしていた。macOSでは必ずしもそうなっていない、ということが2回続けてバグが発覚したせいで白日のもとに明らかになった、と言える。

これは「バグ」というような生易しいものではない。システムの根幹に関わる設計思想の問題である。一方でLLVMClangという超強力な技術をバックにswiftを作り出して、ついにメモリリークフリーの世界を実現するかのような先端的なAppleの動きとの大きなギャップを、僕としては感じてしまう。

こういうほころびって僕には、優良企業が怪しくなる端緒というか兆しというか前触れに見える。思い起こせば前いた会社が十数年前、こう言うのが小さいながらもいっぱいころがってた、という気がする。いや、その会社は今でも存在してるけど、ね。
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溜飲を下げる [日常のあれやこれや]

ちょっとした思いつきで去年暮れから休み返上で1ヶ月以上ずっとやってる計算を、アプリケーション側の専門家の人たちから何の意味もないと言われて、しかもそれを別の場所でそれぞれ独立に言われてかなりへこんでいた(僕自身は今でもそれに意味がないとは思っていないけど)ところへ、今日は会社でそれとは別のムカムカすることがふたつ同時に重なった。

実はさっきまでその話をここに書いてたんだけど、さすがに憚られる内容だと思ったのと、こんなことを書いて溜飲を下げるのはやっぱり大人げない、と思うので結局全部消してしまった。

そんなわけで今日はさっさと会社から帰ってきてダラダラしながら平林さんの記事を読んだ。阪大の入試問題の問題ってこういうのだったんだ。知らなかった。問題としてはなかなか面白い。音叉が作る音の場ってモノポールの場にはならないのはそりゃそうだろうと思うけど、ダイポールでもないんだ。素直にじっくり考えればそうだよな。

壁での音の反射とミラーでの光の反射は違うと言うのもちょっと考えればそうだよな、と思えるんだけど、この出題のように書かれると、僕はずっと光の場ばかり30年間も考えてきたので、ついどんな波も光と同じだと思ってしまう。こういうのって年寄りにありがちな一種の思考停止で、改めて僕は縦波をわかってない、と言うことに気づかされた。面白かった。

おかげでちょっとムカムカの気が晴れた。
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「作者の言いたかったこと」 [日常のあれやこれや]

小中学校のころ、文章を読んで「作者の言いたかったことは何でしょうか」「作者の意図を述べなさい」という国語の設問があった。僕には難しかったけど、秀才に言わせると「関係ない文章を除いていって最後に残った文が答え」であるという。そしてそれがたいてい正解だった。

確かにそのアプローチはそれなりに正しくて、国語の問題だけでなく、例えばドストエフスキーの小説のような長い作品であっても、同じことをすると「作者の言いたかったこと」に到達できる可能性は高い。もちろんドストエフスキーでは取捨選択に膨大な作業が必要になるけど。

ただし作品によっては、例えばカフカの多くの小説のように、「関係ない文章を除いていく」 という取捨選択の結果、何も残らないということもある。それは「作者の言いたかったこと」が言葉として表現されていない、あるいは言葉で表現できない、という場合である。そのような作品に対しては件の秀才アプローチは失敗する。

しかしそういう作品であっても、さらには小説だけでなく音楽や絵画、あるいは映画とかにも「作者の言いたかったこと」は厳然と存在していて、言葉の有る無しに関わらず、作者自身がその「言いたかったこと」をどのくらい真摯に考察したかによって、どのくらい受け手の心に響くか、が違ってくる。僕はその姿勢のことをちょっと大げさに「作家の真実」と呼んでいる。

そして、取捨選択で何も残らないもうひとつの場合がある。つまり「作者に言いたいことがなにもない」という場合である。そういう作品には「作者の言いたいこと」が本当に無いのか、というと実はそうではなくて、あえて表現してみると、「この作品を売りたい」あるいは「これを当てたい」「これで儲けたい」という「メタ」な意図であることが多い。小説よりも音楽、さらには映画と、製作に費用がかかる作品ほどそういった「メタ」な意図による作品が多いような気が僕にはする。

そしてそういう「メタ」な意図のみから作られた作品の場合、作品の各部分はすべてがその「メタ」な意図に奉仕するよう設計され、その効果が最大になるように最適化される。そういう作品に接した受け手は作品が精巧に作られている、という印象を強く感じる。そしてそしてそういう作品はたいてい実際に精巧なものである。が、受け手の心に響くかどうか、はそれとは別次元の問題である。

.....

先日、新海誠監督の「君の名は。」の地上波放送を見て。
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むかしのこと [日常のあれやこれや]

先々週だったか、娘んちに行って話をしていて思い出した。

今年2月末に死んだ僕の父は生前、神戸市立中央図書館の主幹(館長ではなく司書の親分みたいなのらしい)をしていて、小学校3、4年ごろの僕はかなりの頻度で父の仕事場に行った...

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味は何で決まるのか? [日常のあれやこれや]

僕らはいろいろな生き物を食べる。ほとんどは火を通すなどの調理の過程を経る。食べるときに味がする。キャベツはキャベツの、大根は大根の、豚は豚の、鶏は鶏の味がする。なんで種ごとに味が違って、味から種が特定できるぐらい種の中では同じ味がするんだろう。

人間の舌には味を感じる部分があって、甘酸塩苦とうまみの5種類を感じることができる、となっている。それ以外に食感や匂いが加わる。さらに温度や見た目がそれに影響する。味覚は自分の口にしたものが栄養のあるものかあるいは毒なのかを意識させる最後の砦として進化したんだろう。

舌にある味蕾の味覚細胞は多くはイオンを感じるんだろう。そしてそのイオンがくっついている先の分子の形で感度が変わったりするんだろう。「うまみ」はグルタミン酸を感じるということになってるけど、それ以外のアミノ酸やヌクレオチドも感じるらしい、というかそうでないとおかしい気がする。

大きく分けて植物と動物では、前者はセルロースとリグニンが多くて、後者はタンパク質と脂質が多い、という違いがある。セルロースやリグニンは人間は代謝できないけど毒にもならないので味として無感覚なのはわかる。糖は比較的簡単に代謝してエネルギーにできるし、アミノ酸やペプチドはそのままタンパク質の材料になるし、ヌクレオチドはDNA、RNAやリン脂質の材料になるわけだから、好意的な感覚をもたらすというのはわかる。

種によってDNAの塩基配列は違ってるけど、タンパク質としてコードされている部分以外がいくら違っていても、細胞質量全体からいえばほんのわずかなものなので、食べた時の味の違いとして現れるとは思えない。そしてタンパク質にコードされている(エクソンというのか)配列は何度も同じタンパク質を量産するわけだから少しの違いが増幅されるはずである。しかし同じような機能を持つタンパク質は種が違っても大きくは違わないはずで、それはなぜなら違い過ぎれば機能を果たせなくなってしまうからである。

そう考えると、ざっくり言ってしまえばそういう代謝可能な材料レベルで言えば植物どうし動物どうしで比べれば似たり寄ったりで、食べたときの味が種によって違うというのは不思議である。

種独自の代謝の結果、体に蓄えられる物質に違いが現れる、というのはあるかもしれない。たとえばフグはテトロドトキシンを選択的に体内に蓄える仕組みを持っていたりする。言うなれば2次的な種の違いである。フグの場合はフグ以外には毒なので極端な例だけど、似たようなメカニズムで種ごとに違う物質が蓄えられるという可能性もある。その場合メカニズムはいろいろに広がって考えるのが難しくなる。

しかし肉の食感の違いなんかは、DNA配列の違い以外で説明はつかないはずである。筋肉が筋肉として機能するためにはアクチンとミオシンが必要で、そのアミノ酸配列は動物種によって大きくは違わない。となるとその整列のされ方みたいな高次構造とか、基材となるタンパク質構造の違いとかにバラエティがあるということなんだろうな。そういうのは構造体として維持できれば違っていても問題ないはずだし。



昨日、息子が母親に言付かったお使いで、鶏モモ肉の代わりに胸肉を買ってきてしまったおかげで、今日の夕飯が胸肉ざんまいになってしまった。モモと胸でも食べるとこんなに違う。付け合わせの人参になると、味や匂いや食感の違いが途方も無いような気がした。食べててなんかすごく不思議に思ったので。


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NHK「中古品市場」 [日常のあれやこれや]

今週はじめからまた工場に来ていて、今夜ホテルに帰って来てニュースをぼーっと見てた。「メルカリ」みたいなユーザ同士で売り買いする中古品市場が成長しているという。僕自身は使ったことはないけど、飽きたら捨てるというバブル時代の感覚は僕にも馴染めなくて、そういうのはいいことだと思っていた。

例えば、ネットが普及する前、僕らの子供達が小さかったころ、幼児のための服や用品なんかを、女房が知り合いの範囲で使い回すということがあった。子供服なんかはすぐ小さくなってしまうので合理的だと思った。僕が子供の時代は父親や祖父が使っていたおくるみに僕自身が収まっている写真が残ってたりした。製品寿命の方が使用可能期間よりずっと長い、ということはよくあって、それは「ビンボくさい」とかではなくて長い人生の中での最適化と考えることができると思っていた。

そういうのとは全然違う使い方として、番組の中で「Facebookにあげた写真にいつも同じ服を着ていると思われるのがイヤ」なのでメルカリで安い中古品を買う、という話があった。

インスタグラムに上げるために必要以上に盛るなんていうことが普通らしいので、そういうのもあるんだろう。僕は別にそれぞれ好きにすればいい、と思うのでとやかくは言わないけど(もちろん僕自身はそんなのバカみたいと思うんだけど)、その話を聞いて昔の映画のあるシーンを思い出した。

それが何の映画だったかは思い出せない。たぶん小学生のころお袋に連れられて近所の三番館で見たハリウッド映画だったと思う。有閑マダム風の副主人公級登場人物が、パーティに着て行く服を悩んでいる。これは誰それの何々のときに着たし、これはあれで、これはそれで、とワードーローブにずらっと並んだドレスにダメ出しをする。

子供の僕は、大人の女は一度着た服は着ないのか、でもそれなら取っておく必要もないだろうに、となんとなくぼんやりと不思議に思った。

NHKのニュースを見て50年間完全に忘れていた記憶が蘇った。なにがびっくりしたと言って、僕の頭の中のいったいどういうところにそんなものが残っていたのか。最近数ヶ月から数年レベルの記憶がすっぱりと抜け落ちて他人から「あの時お前はこう言った」「こんなことをした」と言われて反論どころかウロがきて何の反応もできないということがよくある。

できることならそんな大昔のどうでもいい記憶領域を中期記憶のために使い回せないか、と切実に思ってしまう。

「メルカリ」に「余った記憶領域売ります」とかいうのはないだろうか。
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ガウシアンビームの光学 - その29 [ガウシアンビーム]

先に片付けたいことができたので、ちょっと間が空いてしまったけど、片付け終わったのでガウシアンビームの続き

前回までで基礎的な数学と物理的な意味、光学でのあつかいなんかをやってきて、だいたい僕が仕事でやっているレーザにまつわる計算の一般論みたいなものができたというつもりでいる。会社に若い後輩がいて、こういうことを基礎知識、というより教科書だけではないボディランゲージも含めたスタイルとして伝えられればいいんだけど、今いる会社に若い奴はいない、というか光学屋は僕一人なので、こういうところに書き散らすだけになってしまう。ちょっと寂しいというか、虚しい。

前の会社なら若いのもいたんだけど。まあ最近の若いのはそういうのを落語の内弟子みたいなもののように感じて敬遠するかもしれない。僕自身も他人との濃厚接触は、還暦を過ぎた今となってもすごく苦手だし。

まあそれはいいとして、今日からシメの測定の話をする。鍋で言うなら雑炊のような話だけど(そう言う比喩でいうと数学は昆布の出汁で物理の味わいは河豚の身で光学は白菜椎茸ネギ豆腐である)、本物の雑炊と違ってそのままだとかなりドロドロするので、うまくまとまった話になるかどうかよくわからないけど、始める.....

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ベンチャースパコン社長がNEDO助成金詐欺で逮捕 [日常のあれやこれや]

PEZY Computing社長が逮捕されたと言うニュースを知った。NEDOの助成金にApplyした人なら多分みんな感じてるんじゃないかと思うけど、僕はなんで?と思ってしまった。
NEDOの審査を普通に通って、しかもスパコン性能を騙ったわけではなくてちゃんとした評価の結果、目標を達成しているのにどういう詐欺なんだろう。その社長が単なるファンドマネジャだという指摘もあるようだけど、架空の数字ではなく実際に動作させた結果で性能評価されてるはずだし、予定していたメモリデバイスが使われなかった、と言ってもそんなもの結果オーライのはずだし。

NEDOの助成金を申し込むならみんないいことばかり盛り込んでどこまでほんとだか本人にさえわからないのが普通だろうし、開発が最終的に失敗したとしてもそれが詐欺だとはみなされない。仙台にいたころ、ほとんどSFみたいなテーマなのに助成金を手に入れた連中を僕は身近に知っている(あれはNEDOじゃなくてA-STEPだったか。どっちにしてもそれがどうなったかは知らぬが花)。

研究開発なんて失敗したら結果的には詐欺みたいなものである。件の社長は成果をそれなりに出しているのに、それより悪質な犯罪行為っていうのが想像できない。前の会社で二十数年間ずっと研究開発を続けているという連中がいたけど、僕から見るとそのほうがずっと悪質に思える。あとは数の違いぐらいしかないんじゃないのか。ほんとのところはなんなんだろう。よくわからない。誰か解説してくれないかな。
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「生命を支えるATPエネルギー」読了 [読書]

二井將光著、講談社ブルーバックス。
1204atp.jpg

しさしぶりのブルーバックス。面白かったか、というとなかなか厳しい。僕はメカニズムそのものに興味があるのでそれなりに楽しんだけど、そうじゃない人には単なる事実の羅列に思えてしまうんではないかしら....

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